故郷の山について・・・

古来より日本人の殆どの人に「故郷の山」が、心の中にあると思います。青春の夢をいっぱい持って都会に旅立ち、そこでの生活に疲れた時、故郷の山や川が、その疲れた心に勢い込んで流れてきます。

         
                                      文章と画像は関係ありません


                              日本人の心の山「富士」
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私にとっての故郷の山は男体山です。赤トンボの飛ぶ畑の奥に、真っ赤に染まる夕日の奥に、そして6歳のまだ小さいころ、母の顔を想い出したくて、母の妹の家近くに行き、隠れながらその顔を眺めて、家に戻るその道の先に、涙の奥に見えた山が男体山でした。











六日町あたりより八海山方面
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貴方にとっての「故郷の山」、「心の山」はどの山でしょうか?。新潟の人ならば、雪の八海山か越後駒ケ岳、守門あたりでしょうか?。山梨の人なら鳳凰三山か白根三山でしょうか?。山のたくさんある長野の人は浅間・八ヶ岳・常念・鹿島槍・白馬あたりでしょうか?。山形の方なら鳥海山・月山でしょうか?。青森の方ならばリンゴ畑の奥に聳える岩木山でしょうか?。



     岩手県渋民村出身の石川啄木は「一握の砂」
     「悲しき玩具」の歌集をつくりました。貧困の中
     26歳で逝った啄木の歌には、遠くの地から
     故郷の岩手山を想う切々とした歌があります。





                                   安曇野の風景
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ふるさとの山にむかひて
  言ふことなし
ふるさとの山はありがたきかな

かにかくに渋民村は恋しかり
 おもひでの山
 おもひでの川

山の子の
山を思ふがごとくにも
かなしき時は君を思へり






                                      水芭蕉咲く尾瀬
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  利根の砂山
風吹きいでてうちけむる
利根の砂山 利根の砂山
赤城おろしはひゅうひゅうたり
ひゅうたる風の中なれば
土筆は土の中に伸ぶ
なにに哀しみ立てる利根の砂山
よしやすてっきをもって
君が名をつづるとも
赤城おろしはひゅうとして
たちまちにして消しゆきぬ
    ・・・室生犀星






                                   松井田より妙義山
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  村はずれの歌
咲いているのは都ぐさ
指に摘んで光にすかして
  教えてくれた
右は越後へ行く北の道
左は木曾へ行く中山道
私たちはきれいな雨あがりの夕方に
ぼんやり空を眺めて、たたずんでいた
そして夕焼けを背にして真っ直ぐに行けば
私のみすぼらしい古里の町
馬頭観世音のくさむらに
私たちは生まれてはじめて
言葉をなくして立っていた
     ・・・立原道造



                                       

                                        守門岳より
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    上野ステエション
トップトップと汽車は出て行く
汽車はつくつく
あかり点くころ
北国の雪をつもらせ
つかれて熱い息をつく汽車である
みやこやちまたに
遠い雪国の心をうつす
私はふみきりの橋のうへから
雪の匂いをかいでいる
浅草のあかりも見える橋の上
    ・・・ 室生犀星





                                 仙石原高原のススキ
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      峠  
時に 人が通る それだけ
三日に一度 あるいわ五日、十日にひとり、ふたり、通るという、それだけの・・・
・・・それだけでいつも 峠には人の思い懸かる
そこをこえてゆく人
そこをこえてくる人
あの高い山の
あの深い木陰の
それとわかぬ小路を通って
姿もみえぬそのゆきかい
峠よ、
あれは峠だ、と呼んで もう幾年こえない人が
向こうの村に こちらの村に 住んでいることだろう
あれは峠だ、 と 朝夕こころに呼んで。
         ・・・石垣 りん,

                  




                  燕岳より野口五郎方面
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      日本は山国である。どこへ行っても山の見えないところは無い
      市や町や村を見下ろす形のいい山が立っていて、そこの学校
      の校歌に必ず詠み込まれると言った風である。日本の国民は
      大てい山を見ながら育った。・・・
      日本人ほど山を尊び山に親しんだ国民は、世界には類がない
      国をはじめた昔から山に縁がありどの芸術の分野にも山を取り
      扱わなかったものはない・・・
                              深田 久弥





                  雪倉岳あたりより妙高方面
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          小景異情
     ふるさとは遠きにありて思ふもの
     そして悲しくうたふもの
     よしや
     うらぶれて異土の乞食(かたい)となるとても
     帰るところにあるまじや
     ひとり都のゆふぐれに
     ふるさとおもひ涙ぐむ
     その心もて
     遠き都にかへらばや
     遠き都にかへらばや
              ・・・・・室生犀星





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私にとっての心の山、男体山は
今も昔と変わらずに中禅寺湖の
上に大きく聳えています。大きな
夢を持って離れた故郷に、いつの
日か錦を飾る夢も果たせず、
いつしか帰る故郷の地も、遠い所
になってしまいました。



   


     貴方にとっての「故郷の山」「心の山」はどの山でしょうか?
     その山にはどんな想い出があるのでしょうか?。






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この記事へのコメント

  • mikko

    うちのダンナは岩手県出身なので
    やはり岩手山がいつも心の中にあるようです。
    私は耳にタコが出来る位「岩手山は日本で一番綺麗な山だよな~」
    と聞かせれ続けています。
    子どもの頃から、毎朝起きたらまず一番先に岩手山を見るのが
    習慣だったと聞いています。
    心の山があるという事はとても素敵な事ですね。
    ところで、私のブログにリンクを貼らせて頂きました。
    事後報告になり、申し訳ありません。
    なにか不都合がありましたら、お知らせ下さい。
    今後もよろしくお願いします。
    2007年06月10日 22:31
  • インレッド

    mikkoさん 今晩は。コメント有難う御座います。
    mikkoさんのような人気ブロガーの方に、リンクを貼っていただき、光栄に思っています。これからも宜しくお願い致します。

    南東北の次はどの山なのでしょうか?。楽しみにしております。
    2007年06月10日 23:03
  • しまふくろう

    私の心に残る山はやはり赤城山でしょうか。
    東武線に乗って東京から帰ってくくるとき、遥かかなたに長く延びている裾野が目に入ると「家が近い」と安心します。
     
     ふるさとの山に向かいて言うことなし
      ふるさとの山はありがたきかな   啄木

    今、お台場の倉庫みたいな建物の中で面白い展示会をしております。
    像と少年が向かい合っている写真です。CMにも流れました。
    有史以前人間は全ての生き年いけるものと心の交流が普通にしていられたのではないだろうか。

          魅・pocaso
    2007年06月11日 13:57
  • インレッド

    しまふくろう さん 今晩は、いつもコメント有難う御座います。
    私も東京に行った帰りなどは、赤城や榛名・妙義の上毛3山が見えてくると、家に帰ったなーと思います。しまふくろう さんの家は赤城駅のそばですからなおさらですね。
    2007年06月11日 20:16
  • まきまき

    こんにちわ
    どの写真を観ても、バランスのとれた絵にみえますね。
    安曇野の風景が、月夜野辺りから見た谷川岳に似ていますので、
    安曇野の風景賀すきです。
    2007年06月12日 14:31
  • インレッド

    まきまき さん、 いつも見て戴き有難う御座います。
    そうですね、月夜のあたり(上牧あたりからの)谷川は何度か絵に描きました。安曇野に似ていますよね。まきまき さんの故郷の山は戸神山あたりでしょうか?。武尊の眺めは良い所ですね。戸上から武尊山の絵も描いたことがありますよ。
    2007年06月12日 19:12
  • 甘納豆

    インレッドさんこんばんは!
     貴方にとっての「故郷の山」「心の山」はどの山でしょうか?と問われてみて、一瞬、はて何処だろうと考えてしまいます。
    それだけに、日本人にとっては山は普通の存在なのかも知れません。
    改めて思い起こしてみると、自分にとって飯豊連峰がその山かもしれません。
    父が転勤商売でしたので、子供のころはあちこち動いており、自分の故郷は一体何処だろうと常々思っておりましたが、小学校から中学1年までの新発田の印象が強いようです。どこの校歌にも飯豊と加治川が入っていました。今、新潟市におりますが、昼の散歩で畦道を歩きながら飯豊が見えた時はその日1日が張りのある1日のような気がします。
    2007年06月12日 23:14
  • インレッド

    甘納豆 さん 今日は。
    やはり飯豊ですか。そのあたりから眺めると、真っ白い山並みは、こちらで見る北アルプスと同じ雰囲気でしょうね。私の住んでいる高崎市からは時々空気の済んだとき(年に数回しかありませんが)八ヶ岳が見えます。冬は武尊と谷川が真っ白く眺められますが夏場は殆ど雲の中です。
    2007年06月13日 09:13
  • sanae

    こんにちは。
    いつも拝見させていただいてます。
    内容が濃いのでコメントをするよりいろいろ考えたり思いを馳せたりしてしまうことが多いです。
    故郷の山のある人はいいな・・・とよく思います。
    山より海、東京湾を眺めて育ちましたし、昔も今住んでいるところもちょっと高台があるような感じで山といえば遠足で行った横須賀の武山とか大楠山とかクライミングトレで有名な鷹取山とか・・・^_^; 
    当時体が丈夫でなくて山歩きは大嫌いでしたから(信じられないでしょうけど・・笑)、郷愁を感じるほどの思いもなく、寂しい限りです(^^ゞ
    心の山はたくさんありますね、今歩いている山、見えてる山、どれも心の山です。
    あの○○山をみて育った・・・そんな山が欲しかったですが、心の山がいっぱいありますから!(^^ゞ
    でも人生の最後に一つだけなんて言われたら・・・困ってしまいます(笑;
    2007年06月13日 14:49
  • インレッド

    sanaeさん 今晩は。
    海無し県の私には逆に、海が近くにある人は羨ましく思います。時々海が見たくて、日本海の海岸に行き、茜色をしたちりめんじわの海の夕焼けを眺めに行きます。
    sanaeさんには、心の山はたくさんありそうなので、いいですね。歳を経て山に行けなくなったとき、密かに覗いて楽しむ、山の想い出の宝石がたくさんsanaeさんの宝石箱には入っているようなので・・・
    2007年06月13日 19:44
  • 本読みと山歩き

    今晩は。いいテーマですね。
    (本日まで長らく長期出張でした)
    私の「故郷の山」は、金剛生駒山地です。
    大阪府と奈良県の県境にあたり、標高は500m~1000m程度です。
    大阪平野は関東と違い、非常に狭く、どこからでも近くにこの山々を見ることができます。
    私の小学校の校歌にも登場し、大阪(または奈良)の人々にはたいへん身近な山です。
    小学校の遠足から高校の耐寒登山、学生時代の思いではこの山々と共にあります。
    場所柄、古代(飛鳥時代)から奈良・平安・鎌倉・南北朝~近世に至るまで歴史の表舞台にも度々登場します。
    戦後は俗化が進み、本来の山登りとしても魅力は薄れていますが、歴史的視点でも山歩きは飽きることがありません。
    父親も山歩きが好きで、よく週末に連れて行かれました。
    ハイキング程度の山歩きで、子供の私にはしんどかった思い出ばかりが残っていますが、歴史・文化・地層のことなど興味深くながめる父親の背中を見ていたのでしょう、結局高校時代からワンゲルを始めました。
    故郷の山は、やはりいいものですし、いかに俗化されようと自慢できる思い出の山々です。
    2007年06月16日 21:34
  • magnoria

    今晩は。インレッドさんが今までどんな人生を歩まれてきたのかということは私は全然わからないのですが、山が恋人、そして山が母、そんな言葉がふと思い浮かんできました。同じように海を母と感じる人もいるのでしょうね。
    2007年06月16日 23:57
  • インレッド

    本読み さん 今晩は。
    お忙しいところ、コメント有難う御座います。
    歴史は大好きですが、そのあたりに生まれていたなら、もっともっと
    好きになったかも知れません。古代の歴史にはロマンがあっていいですね。
    2007年06月17日 00:29
  • インレッド

    magnoriaさん 今晩は、コメント有難う御座います。
    あまり感じていなかったのですが、「山が恋人」「山が母」と言われて見ると、そうかも知れません。以前、山梨県の大月市の近くの山で高川山に登りました。山頂に着いて始めて富士が見えました。雪を被った富士を眺めていたら、初恋の人が白いドレスを着て待っていてくれたような気がしました。その時は山頂で、暫らく飲んで居たい気がしました。
    2007年06月17日 00:42

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